目の前に置かれた辞令には、
経理部会計監査 高橋貴博殿
8月1日付をもって、
海外事業部付 ニューヨーク支店 新規事業渉外担当 兼 経理担当 を命じる。
と、書いてあった。
夢でも、何かの間違えでもなかったんだ。
こんな時、どんな言葉を発すればいいのだろう。高橋さんに、どんな言葉を……。
高橋さんを見ると、真剣な表情で何かを決意したように大きく深呼吸をすると、いつもの穏やかな表情で微笑みながらこちらを見た。
「フッ……」
エッ……。
「あ、あの、高橋さん。何か私、おかしかったですか?」
高橋さんが笑ったので、何が何だか分からず思わず聞き返してしまった。
「いや、俺の出向の手続きに関して、矢島さんが説明してくれることになって偶然とはいえ、嬉しいぞ」
「高橋さん……」
「よろしくお願いします」
うわっ。
「そ、そんな、こちらこそ。よろしくお願いしま……痛っ……」
高橋さんが、真剣な表情で座ったままだったが丁寧に頭を下げたので、慌てて私も勢いよくお辞儀をしたら、長机に額をぶつけてしまった。
「大丈夫か?」
「は、はい。すみま……せん」
一瞬、星が出た気がする。
「凄い音がしたぞ? 見せて見ろ」
高橋さんが立ち上がって私の隣の椅子を引くと、ドカッと座った
「だ、大丈夫ですから」
「いいから、見せてみろ」
ぶつけた額を押さえている右手を高橋さんが無理矢理左手でどかすと、ぶつけた額に顔を少し近づけた。
ち、近過ぎですって、高橋さん。
経理部会計監査 高橋貴博殿
8月1日付をもって、
海外事業部付 ニューヨーク支店 新規事業渉外担当 兼 経理担当 を命じる。
と、書いてあった。
夢でも、何かの間違えでもなかったんだ。
こんな時、どんな言葉を発すればいいのだろう。高橋さんに、どんな言葉を……。
高橋さんを見ると、真剣な表情で何かを決意したように大きく深呼吸をすると、いつもの穏やかな表情で微笑みながらこちらを見た。
「フッ……」
エッ……。
「あ、あの、高橋さん。何か私、おかしかったですか?」
高橋さんが笑ったので、何が何だか分からず思わず聞き返してしまった。
「いや、俺の出向の手続きに関して、矢島さんが説明してくれることになって偶然とはいえ、嬉しいぞ」
「高橋さん……」
「よろしくお願いします」
うわっ。
「そ、そんな、こちらこそ。よろしくお願いしま……痛っ……」
高橋さんが、真剣な表情で座ったままだったが丁寧に頭を下げたので、慌てて私も勢いよくお辞儀をしたら、長机に額をぶつけてしまった。
「大丈夫か?」
「は、はい。すみま……せん」
一瞬、星が出た気がする。
「凄い音がしたぞ? 見せて見ろ」
高橋さんが立ち上がって私の隣の椅子を引くと、ドカッと座った
「だ、大丈夫ですから」
「いいから、見せてみろ」
ぶつけた額を押さえている右手を高橋さんが無理矢理左手でどかすと、ぶつけた額に顔を少し近づけた。
ち、近過ぎですって、高橋さん。

