そう言えば、経理に居た時も、何かいつも高橋さんの後ろ姿を追いかけていたな。そして、今も……。
経理の事務所は、暫く来ない間に何だかあの頃普通に出勤していた事務所内とは感じが違うように思えた。何も変わっていないのに、人事部の事務所にもまだそんなに慣れていないけれど、経理の事務所にはもう自分の居場所はないように感じられた。
そんな思いを抱きながら、会計の一角が見えてきた。
私の後に来た人は、どんな人なんだろう。見たかったような、このまま見ないでおきたいような……。
「ただいま」
「お帰りなさい。あっ、矢島さん。久しぶり」
「中原さん。お久しぶりです」
久しぶりに会った中原さんは、何も変わっていなくて……。一瞬、社内旅行の時に、中原さんに絡みながら飲んでいた自分を思い出した。あの旅行から、まだ1ヶ月ちょっとしか経っていないのに、あの頃が遠い昔のように感じられる。
「中原。ちょっと、矢島さんと会議室に居るから、何かあったら折り返しにしてくれ」
「わかりました」
「行こうか」
「は、はい」
高橋さんにそう言われて、チラッと中原さんと目が合うと、微笑みながら小さく腰の辺りで手を振ってくれていたので黙ってお辞儀をした。
そう言えば、私の後任の人の姿が見当たらない。離席してるのかな。
会議室の1つは使用中になっていたので、その隣の会議室のドアに付いているスライド式の札を使用中にして、高橋さんが一応ノックしてドアを開けると、私に先に入るよう誘ってくれた。
「失礼します」
「座って」
高橋さんが、椅子を引いてくれた。
「ありがとうございます」
高橋さんも長机を挟んで座って手帳を長机の上に置くと、ジャケットの内ポケットから封筒を出して長机の上に置いた。
辞令……。
そして、封筒の中から長方形の辞令通知書を出すと、私の方に向けてスッと押し出すようにして近づけてくれた。
「本日付で、辞令を拝受した」
高橋さん。
経理の事務所は、暫く来ない間に何だかあの頃普通に出勤していた事務所内とは感じが違うように思えた。何も変わっていないのに、人事部の事務所にもまだそんなに慣れていないけれど、経理の事務所にはもう自分の居場所はないように感じられた。
そんな思いを抱きながら、会計の一角が見えてきた。
私の後に来た人は、どんな人なんだろう。見たかったような、このまま見ないでおきたいような……。
「ただいま」
「お帰りなさい。あっ、矢島さん。久しぶり」
「中原さん。お久しぶりです」
久しぶりに会った中原さんは、何も変わっていなくて……。一瞬、社内旅行の時に、中原さんに絡みながら飲んでいた自分を思い出した。あの旅行から、まだ1ヶ月ちょっとしか経っていないのに、あの頃が遠い昔のように感じられる。
「中原。ちょっと、矢島さんと会議室に居るから、何かあったら折り返しにしてくれ」
「わかりました」
「行こうか」
「は、はい」
高橋さんにそう言われて、チラッと中原さんと目が合うと、微笑みながら小さく腰の辺りで手を振ってくれていたので黙ってお辞儀をした。
そう言えば、私の後任の人の姿が見当たらない。離席してるのかな。
会議室の1つは使用中になっていたので、その隣の会議室のドアに付いているスライド式の札を使用中にして、高橋さんが一応ノックしてドアを開けると、私に先に入るよう誘ってくれた。
「失礼します」
「座って」
高橋さんが、椅子を引いてくれた。
「ありがとうございます」
高橋さんも長机を挟んで座って手帳を長机の上に置くと、ジャケットの内ポケットから封筒を出して長机の上に置いた。
辞令……。
そして、封筒の中から長方形の辞令通知書を出すと、私の方に向けてスッと押し出すようにして近づけてくれた。
「本日付で、辞令を拝受した」
高橋さん。

