嘘。
安堵しながら再度ドアが開いたエレベーターに乗ろうとしたが、中を見ると誰も乗っていなかった。
「俺に、何か用か?」
エッ……。
後ろから声が聞こえ、驚いて振り返ると、壁に寄りかかりながら腕を組んでいる高橋さんの姿がそこにあった。
「高橋さん」
間近で高橋さんのスーツ姿を見るのは、本当に久しぶりだった。
辞令の封筒を手に持っていない所を見ると、きっとジャケットの内ポケットにしまったのだろう。そんな今、関係ないことを推察しながら高橋さんと視線を交わしている。久しぶりに会話が出来るというのに、それなのに……それは仕事の延長線上のことで、これから私が高橋さんに話そうとしていることは、出向の色々な手続きのこと。あまりにも突然のことで、まだ頭の中を上手く整理出来ていない。
ただ言えることは、今、この場で起きている全てのことが、夢であって欲しいと願う。夢なら早く覚めて欲しいのに……。
「何を、そんなに深刻そうな顔しているんだ?」
エッ……。
その声で我に返り、見ると高橋さんが優しく微笑みながら私の横を通り過ぎると、エレベーターのボタンを押した。
「あの……出向の……説明を……」
左腕に抱えていた書類の入った封筒を差し出そうとして、高橋さんがそれを制止した。
「説明してくれるのか。ありがとう。でも、此処だと落ち着かないから経理の事務所でお願い出来るか?」
「は、はい」
ちょうどエレベーターが来たので、高橋さんが私を先に乗せてくれて22階のボタンを押してドアを閉めた。
経理の事務所に行くのは、異動して以来だから久しぶりだ。
何となく事務所に入りづらかったが、高橋さんがお構いなしにどんどん行ってしまうので慌てて後から付いてく感じで事務所の中に入った。
安堵しながら再度ドアが開いたエレベーターに乗ろうとしたが、中を見ると誰も乗っていなかった。
「俺に、何か用か?」
エッ……。
後ろから声が聞こえ、驚いて振り返ると、壁に寄りかかりながら腕を組んでいる高橋さんの姿がそこにあった。
「高橋さん」
間近で高橋さんのスーツ姿を見るのは、本当に久しぶりだった。
辞令の封筒を手に持っていない所を見ると、きっとジャケットの内ポケットにしまったのだろう。そんな今、関係ないことを推察しながら高橋さんと視線を交わしている。久しぶりに会話が出来るというのに、それなのに……それは仕事の延長線上のことで、これから私が高橋さんに話そうとしていることは、出向の色々な手続きのこと。あまりにも突然のことで、まだ頭の中を上手く整理出来ていない。
ただ言えることは、今、この場で起きている全てのことが、夢であって欲しいと願う。夢なら早く覚めて欲しいのに……。
「何を、そんなに深刻そうな顔しているんだ?」
エッ……。
その声で我に返り、見ると高橋さんが優しく微笑みながら私の横を通り過ぎると、エレベーターのボタンを押した。
「あの……出向の……説明を……」
左腕に抱えていた書類の入った封筒を差し出そうとして、高橋さんがそれを制止した。
「説明してくれるのか。ありがとう。でも、此処だと落ち着かないから経理の事務所でお願い出来るか?」
「は、はい」
ちょうどエレベーターが来たので、高橋さんが私を先に乗せてくれて22階のボタンを押してドアを閉めた。
経理の事務所に行くのは、異動して以来だから久しぶりだ。
何となく事務所に入りづらかったが、高橋さんがお構いなしにどんどん行ってしまうので慌てて後から付いてく感じで事務所の中に入った。

