エッ……。
「そこに配属になるなんて、花形だし凄いことだよ」
「そ、そうなんですか?」
もし、そうだとしても、それでも私は経理に居たかった。経理というか、会計に。
辞令を貰ってからは、まったく仕事に身が入らなかった。会計の仕事も今日で終わってしまうんだと思うと、きちんとしていきたかったが心が上の空で何回やっても計算が合わない。きっと、こんなところも私には会計は向いていなかったんだろうな。
経理を離れなければならない寂しさと哀しさでいっぱいになりながら、電卓を叩いていると不意に人影がして、顔を上げると隣にジャケットを着た高橋さんが立っていた。
「人事に、挨拶に行こう」
「えっ? あっ、はい」
「中原。人事に行ってくる」
「はい。行ってらっしゃい」
慌てて席を立って高橋さんの後ろに続いて、事務所を出てエレベーターホールでエレベーターを待っていた。
高橋さんは、もうずっと前から分かっていたのかな。知っていて、それでも普通に接してくれていたのかもしれない。
高橋さんと中原さんと一緒に食事に行ったあの日が、3人で食事に行った最後の日になるなんて。高橋さんに送ってもらったあの日が……。
「あの……」
エレベーターを待ちながら、堪らず話し掛けていた。
すると、前に立っていた高橋さんが後ろを振り返って私と目が合った。
「あの……」
「何だ?」
「高橋さんは、ご存じだったんですよね?」
「何がだ?」
「その……。私の本配属先が人事部なことを、高橋さんはご存じだったんですよね?」
「……」
その時、エレベーターのドアが開き、高橋さんが私の乗るよう促したので急いでエレベーターに乗ると、中に人が乗っていたので会話が途中で終わってしまった。
人事部の事務所に入り、まず人事部長に高橋さんと一緒にもう一度挨拶に行き、人事担当課長、係長、主任の順で挨拶回りをしていくと、口々に同じことを言われた。
『高橋さんに、1ヶ月育てて頂いたのなら安心ね』
いったい、どういうことなんだろう。さっぱり理解出来ないまま、余計に不安になって挨拶を終えて人事の事務所を出た。私に務まるのだろうか。人事の仕事は、何だか大変そう。みんな優しそうな人だったけれど、そんな印象から不安で一杯になりながら、エレベーターを待っていた。
「会計のデスクに入ってるものは、月曜日に人事の事務所に届けるから、月曜日は直接人事に出社してくれ」
エッ……。
「そこに配属になるなんて、花形だし凄いことだよ」
「そ、そうなんですか?」
もし、そうだとしても、それでも私は経理に居たかった。経理というか、会計に。
辞令を貰ってからは、まったく仕事に身が入らなかった。会計の仕事も今日で終わってしまうんだと思うと、きちんとしていきたかったが心が上の空で何回やっても計算が合わない。きっと、こんなところも私には会計は向いていなかったんだろうな。
経理を離れなければならない寂しさと哀しさでいっぱいになりながら、電卓を叩いていると不意に人影がして、顔を上げると隣にジャケットを着た高橋さんが立っていた。
「人事に、挨拶に行こう」
「えっ? あっ、はい」
「中原。人事に行ってくる」
「はい。行ってらっしゃい」
慌てて席を立って高橋さんの後ろに続いて、事務所を出てエレベーターホールでエレベーターを待っていた。
高橋さんは、もうずっと前から分かっていたのかな。知っていて、それでも普通に接してくれていたのかもしれない。
高橋さんと中原さんと一緒に食事に行ったあの日が、3人で食事に行った最後の日になるなんて。高橋さんに送ってもらったあの日が……。
「あの……」
エレベーターを待ちながら、堪らず話し掛けていた。
すると、前に立っていた高橋さんが後ろを振り返って私と目が合った。
「あの……」
「何だ?」
「高橋さんは、ご存じだったんですよね?」
「何がだ?」
「その……。私の本配属先が人事部なことを、高橋さんはご存じだったんですよね?」
「……」
その時、エレベーターのドアが開き、高橋さんが私の乗るよう促したので急いでエレベーターに乗ると、中に人が乗っていたので会話が途中で終わってしまった。
人事部の事務所に入り、まず人事部長に高橋さんと一緒にもう一度挨拶に行き、人事担当課長、係長、主任の順で挨拶回りをしていくと、口々に同じことを言われた。
『高橋さんに、1ヶ月育てて頂いたのなら安心ね』
いったい、どういうことなんだろう。さっぱり理解出来ないまま、余計に不安になって挨拶を終えて人事の事務所を出た。私に務まるのだろうか。人事の仕事は、何だか大変そう。みんな優しそうな人だったけれど、そんな印象から不安で一杯になりながら、エレベーターを待っていた。
「会計のデスクに入ってるものは、月曜日に人事の事務所に届けるから、月曜日は直接人事に出社してくれ」
エッ……。

