「お、おやすみなさい」
お辞儀をすると、高橋さんは運転席側にまわってドアを開け、手を挙げて運転席に乗ると直ぐに走り出して行ってしまった。
車の後ろ姿を見送りながら、心の中で何度も、おやすみなさい、気をつけてと繰り返していた。
高橋さんと約束したからではないが、翌朝はいつもより早く目が覚め、気持ちのいい朝を迎えながら会社へと向かう。
電車の中で本を読みながら、ふと高橋さんの昨日の仕草を思い出すたびに、胸がキューンとなっている。あのジャケットの裾が翻った時の綺麗さが、忘れられない。高橋さんの左手で頭を撫でられたことを思い出すたびに、大きく深呼吸している。
事務所に着くと、もうすでに高橋さんも中原さんも席に座っていた。
「おはようございます」
「おはよう」
「おはよう」
仕事をしながら、ふと何気なく高橋さんを見ると目が合ってしまい、慌てて目を逸らせた。
あれ?
何だか最近、本当に高橋さんとよく目が合うな。
気にし過ぎなのかもしれない。意識して見ないようにしないと……。
そんなことを考えていたが、ふと気づくと、翌日も高橋さんと目が合うことが何度もあって不思議に感じていた。
何だろう?
いつも、いつもではないけれど、何で高橋さんはいつも私を見ているんだろう? 不思議でたまらない。
「矢島さん。人事部の人事担当に行ってくれるか」
「あっ、はい。今からですか?」
「ああ、今、直ぐに。」
「はい。人事部の人事担当ですね。行ってきます」
そんな日が2〜3日続いた、13日の金曜日。高橋さんに言われて、人事部の人事担当に向かうと、人事の会議室に案内された。
案内してくれた人がドアをノックすると中から声がした。
「失礼します。矢島陽子さんをお連れしました」
ドアを開けて案内してくれた人が、私に中に入るようにと指示した。
「失礼します」
そう言って中に入ると、見覚えのある男性が座っていた。人事部長だ。
「こんにちは。掛けて下さい」
「は、はい。失礼します」
「本来なら、本配属の辞令は15日の予定なのですが、15日は日曜日なので、今日、辞令の交付をします」
エッ……。
嘘でしょう?
15日辞令だと聞いていたけれど、日曜日だから翌日の月曜日、16日に辞令交付だと思っていた。今朝も、誰も行っていなかったし。
「今、矢島さんは経理部に仮配属になっているんでしたよね? 担当は?」
お辞儀をすると、高橋さんは運転席側にまわってドアを開け、手を挙げて運転席に乗ると直ぐに走り出して行ってしまった。
車の後ろ姿を見送りながら、心の中で何度も、おやすみなさい、気をつけてと繰り返していた。
高橋さんと約束したからではないが、翌朝はいつもより早く目が覚め、気持ちのいい朝を迎えながら会社へと向かう。
電車の中で本を読みながら、ふと高橋さんの昨日の仕草を思い出すたびに、胸がキューンとなっている。あのジャケットの裾が翻った時の綺麗さが、忘れられない。高橋さんの左手で頭を撫でられたことを思い出すたびに、大きく深呼吸している。
事務所に着くと、もうすでに高橋さんも中原さんも席に座っていた。
「おはようございます」
「おはよう」
「おはよう」
仕事をしながら、ふと何気なく高橋さんを見ると目が合ってしまい、慌てて目を逸らせた。
あれ?
何だか最近、本当に高橋さんとよく目が合うな。
気にし過ぎなのかもしれない。意識して見ないようにしないと……。
そんなことを考えていたが、ふと気づくと、翌日も高橋さんと目が合うことが何度もあって不思議に感じていた。
何だろう?
いつも、いつもではないけれど、何で高橋さんはいつも私を見ているんだろう? 不思議でたまらない。
「矢島さん。人事部の人事担当に行ってくれるか」
「あっ、はい。今からですか?」
「ああ、今、直ぐに。」
「はい。人事部の人事担当ですね。行ってきます」
そんな日が2〜3日続いた、13日の金曜日。高橋さんに言われて、人事部の人事担当に向かうと、人事の会議室に案内された。
案内してくれた人がドアをノックすると中から声がした。
「失礼します。矢島陽子さんをお連れしました」
ドアを開けて案内してくれた人が、私に中に入るようにと指示した。
「失礼します」
そう言って中に入ると、見覚えのある男性が座っていた。人事部長だ。
「こんにちは。掛けて下さい」
「は、はい。失礼します」
「本来なら、本配属の辞令は15日の予定なのですが、15日は日曜日なので、今日、辞令の交付をします」
エッ……。
嘘でしょう?
15日辞令だと聞いていたけれど、日曜日だから翌日の月曜日、16日に辞令交付だと思っていた。今朝も、誰も行っていなかったし。
「今、矢島さんは経理部に仮配属になっているんでしたよね? 担当は?」

