「はい。でも私……。嫌いなものは殆どなくて」
「そう。それなら良かった。高橋さん。何処でも大丈夫ですね」
「ああ」
何処でも大丈夫ですねって、中原さんったら。
乾杯をしたが、飲んだのは中原さんだけで、その中原さんも最初、車の運転がある高橋さんに気を遣って飲まないと言ったのだが、ビール一本だけでも代わりに飲めと高橋さんに言われて、中原さんが代表で飲んでいた。
殆ど仕事の話は一切なくて、中原さんの学生時代の話や新人の頃の失敗談等、沢山聞くことが出来てとても楽しく、そして参考になる話ばかりだった。
「誰でも、新人の頃は失敗して、勉強して、そして覚えていくから。その失敗を恐れちゃ駄目だよ」
「はい。頑張ります」
中原さんも、優しくて良い人だな。
明日の仕事があるので早めに切り上げ、通り道順に中原さんを先に送ってから、高橋さんが自宅まで送ってくれていた。
が、しかし、会話が続かない。
元来、あまり口数の多くない高橋さんなので、車内は沈黙が続いてしまうことが多い。それが気にならないといえば気にならないが、ずっと会話がないので何となく気まずくなってきている。
何か、話題を探さなくちゃ。当たり障りのないことで……。
あっ。
「あの……」
「……」
信号待ちで高橋さんに話し掛けたが、高橋さんは黙ったままこちらを向いた。
話し掛けて欲しくなかったのかな?
「あ、あの、明良さんは、お元気ですか?」
「明良? 元気なんじゃないか」
「そうですか……」
もう、会話が終わっちゃった。また、何か考えなくては。
ああ、どうしよう。焦れば焦るほど、何も頭に浮かばない。
趣味とか聞いてみようかな。
「あの……」
「お前……」
高橋さんに話し掛けたと同時に、高橋さんも私に話し掛けていた。
な、何?
「は、はい。な、何でしょうか?」
何だろう? 高橋さんが、私に言いたいことって。
「フッ……」
エッ……。
信号待ちで、高橋さんが微笑みながら私を見ている。
何だろう?
私、何か変なこと言ったかな?
「お前、そんなに俺に気を遣わなくていい。疲れちゃうぞ?」
高橋さん……。
「あの……。ごめんなさい。私、あまり話題がなくて……」
「……」
その言葉への返事はなかったが、気づけばマンションの前に着いていた。
「そう。それなら良かった。高橋さん。何処でも大丈夫ですね」
「ああ」
何処でも大丈夫ですねって、中原さんったら。
乾杯をしたが、飲んだのは中原さんだけで、その中原さんも最初、車の運転がある高橋さんに気を遣って飲まないと言ったのだが、ビール一本だけでも代わりに飲めと高橋さんに言われて、中原さんが代表で飲んでいた。
殆ど仕事の話は一切なくて、中原さんの学生時代の話や新人の頃の失敗談等、沢山聞くことが出来てとても楽しく、そして参考になる話ばかりだった。
「誰でも、新人の頃は失敗して、勉強して、そして覚えていくから。その失敗を恐れちゃ駄目だよ」
「はい。頑張ります」
中原さんも、優しくて良い人だな。
明日の仕事があるので早めに切り上げ、通り道順に中原さんを先に送ってから、高橋さんが自宅まで送ってくれていた。
が、しかし、会話が続かない。
元来、あまり口数の多くない高橋さんなので、車内は沈黙が続いてしまうことが多い。それが気にならないといえば気にならないが、ずっと会話がないので何となく気まずくなってきている。
何か、話題を探さなくちゃ。当たり障りのないことで……。
あっ。
「あの……」
「……」
信号待ちで高橋さんに話し掛けたが、高橋さんは黙ったままこちらを向いた。
話し掛けて欲しくなかったのかな?
「あ、あの、明良さんは、お元気ですか?」
「明良? 元気なんじゃないか」
「そうですか……」
もう、会話が終わっちゃった。また、何か考えなくては。
ああ、どうしよう。焦れば焦るほど、何も頭に浮かばない。
趣味とか聞いてみようかな。
「あの……」
「お前……」
高橋さんに話し掛けたと同時に、高橋さんも私に話し掛けていた。
な、何?
「は、はい。な、何でしょうか?」
何だろう? 高橋さんが、私に言いたいことって。
「フッ……」
エッ……。
信号待ちで、高橋さんが微笑みながら私を見ている。
何だろう?
私、何か変なこと言ったかな?
「お前、そんなに俺に気を遣わなくていい。疲れちゃうぞ?」
高橋さん……。
「あの……。ごめんなさい。私、あまり話題がなくて……」
「……」
その言葉への返事はなかったが、気づけばマンションの前に着いていた。

