「一緒よ。もっとも、もし上の方だったら今頃、此処には居ないわよ。強化選手か指導者になってるって。さあ、行きましょう」
私の背中をさするようにして折原さんが触れると、高橋さんが立ち上がったので、いつもより視線が高くなってグンと視界が広がった。
ホテルに入り、エレベーターを待ちながら高橋さんの広い背中に左頬をくっつけた。
「温かい……」
「あら、矢島ちゃん。寒かったの?」
折原さんが、おんぶされている私の顔を覗き込んだ。
「そんなことないですよお。高橋さんの背中が温かいから、気持ちよくて寝ちゃいそうです」
「フッ……。力抜けそうだ」
高橋さんの声が、背中を伝わって耳に響いている。私、おんぶされてるんだ。今更ながら実感が湧いてきて、左頬を尚一層、高橋さんの背中に押し当てた。
「流石の高橋も完敗だわね。矢島ちゃんは、大物だ」
大物?
「大物じゃないですよお。私なんて、私なんか小物ですう……。背は小さいし……」
「アッハッハ……。そういう意味じゃないわよ」
どういう意味ですか? と聞き返したかったが、だんだん折原さんの声が遠くなって、ところどころ聞き取れなくなってきていた。
何か、気持ちいいな。このまま、ずっと高橋さんの背中におんぶされていたい。
「あと頼むな」
エッ……。
急に高橋さんの温もりが感じられなくなって、ふわっと何処かに降ろされた気がした。
「OK! ありがとう。あとは任されたから、安心して飲みに行っても、寝てもいいわよ」
あとは任された? 安心して飲みに行っても、寝てもいい?
高橋さん……。
「よろしく。それじゃ」
「おやすみなさい」
「おやすみ」
高橋さんの『おやすみ』という声が遠くで聞こえたが、目を開けることが出来ない。
ドアが閉まる音がして、折原さんの足音だろうか。足音が近づいてくるのが聞こえた。
「矢島ちゃん。着替えないと風邪引くよ?」
「はい……」
辛うじて返事は出来たが目も開けられず、起き上がることが出来ない。
「着替え、バッグに入ってる?」
「はい……」
「あっ、でも面倒だから、ホテルの浴衣でいいわね」
浴衣?
「こりゃ、ちょっと大きいかな。まあ、いいか」
私の背中をさするようにして折原さんが触れると、高橋さんが立ち上がったので、いつもより視線が高くなってグンと視界が広がった。
ホテルに入り、エレベーターを待ちながら高橋さんの広い背中に左頬をくっつけた。
「温かい……」
「あら、矢島ちゃん。寒かったの?」
折原さんが、おんぶされている私の顔を覗き込んだ。
「そんなことないですよお。高橋さんの背中が温かいから、気持ちよくて寝ちゃいそうです」
「フッ……。力抜けそうだ」
高橋さんの声が、背中を伝わって耳に響いている。私、おんぶされてるんだ。今更ながら実感が湧いてきて、左頬を尚一層、高橋さんの背中に押し当てた。
「流石の高橋も完敗だわね。矢島ちゃんは、大物だ」
大物?
「大物じゃないですよお。私なんて、私なんか小物ですう……。背は小さいし……」
「アッハッハ……。そういう意味じゃないわよ」
どういう意味ですか? と聞き返したかったが、だんだん折原さんの声が遠くなって、ところどころ聞き取れなくなってきていた。
何か、気持ちいいな。このまま、ずっと高橋さんの背中におんぶされていたい。
「あと頼むな」
エッ……。
急に高橋さんの温もりが感じられなくなって、ふわっと何処かに降ろされた気がした。
「OK! ありがとう。あとは任されたから、安心して飲みに行っても、寝てもいいわよ」
あとは任された? 安心して飲みに行っても、寝てもいい?
高橋さん……。
「よろしく。それじゃ」
「おやすみなさい」
「おやすみ」
高橋さんの『おやすみ』という声が遠くで聞こえたが、目を開けることが出来ない。
ドアが閉まる音がして、折原さんの足音だろうか。足音が近づいてくるのが聞こえた。
「矢島ちゃん。着替えないと風邪引くよ?」
「はい……」
辛うじて返事は出来たが目も開けられず、起き上がることが出来ない。
「着替え、バッグに入ってる?」
「はい……」
「あっ、でも面倒だから、ホテルの浴衣でいいわね」
浴衣?
「こりゃ、ちょっと大きいかな。まあ、いいか」

