「お待たせ」
「ありがとうございます。キャッ!」
中原さんが持ってきてくれた缶ビールを勢いよく開けると、泡が飛び出して手に掛かったが構わなかった。
「大丈夫?」
「はい。ビールって、美味しいですね」
ビールが掛かった手を近くにあったダスターで拭きながら、また一口ビールを飲む。
「ハハッ……。矢島さんって、面白いね」
「そうですか? そんな風に言われたの、中原さんが初めてですよ?」
「それって、みんな矢島さんのこと、ちゃんと見てないんじゃないの?」
「そ、そうかもしれませんね。アッハッハ……」
何だか、楽しくなってきた。
「中原さん。今度は、私が持ってきますね」
「ありがとう」
空いてしまった缶を持って、缶ビールが置いてある場所へと向かう途中、顔を横に向ければ経理のテーブルが見える場所に差し掛かったが、横を見ることはなかった。否、もう見たいと思えなかった。
その後、何度か、中原さんと交代で缶ビールを取りに行っていたが、だんだん足取りがおぼつかなくなって来ていた。
「中原さん。もう一本飲んでもいいですか?」
「矢島さん。もうやめた方がいいよ」
「何でですか? 中原さんが飲まないんだったら、私だけ飲みますから」
啖呵を切るように言って椅子から立ち上がったが、フラフラしてまた直ぐ椅子に座ってしまった。
「ああ、びっくり。危なかったあ。」
自分で何を言ってるんだろうと思うが、意思に反して言葉が出て来てしまう。
「部屋まで送ってくから、もう寝た方がいい」
「何でですか? ほら、まだみんなだって……」
そう言いながら周りを見渡したが、宴会場に残っているのは、中原さんと私と逆角に座っていた何処かの担当の集まりの四人だけになっていた。
いつの間に?
そう言えば、高橋さんは何処に行ったんだろう。
「いいじゃないですか。だって、まだ0時になってないんですから居てもいいんですよね?」
「まあ、そうだけど……。でも、もうお酒はやめた方がいい。あっ、矢島さん」
中原さんの忠告も聞かずに、やっぱりもう一本飲みたくなって缶ビールを取りに行き、努めて平静さを装いながら戻ってきた。
「中原さん。はい」
缶ビールのプルトップを開けて中原さんに手渡したが、中原さんは缶に口を付けようとはしなかった
「中原さん。飲まないんですかあ? 私は、飲んじゃいま……」
「いい加減にしろ」
エッ……。
いきなり後ろから声がして、持っていた缶ビールを取り上げられていた。
誰よ?
せっかく良い気分で飲んでたのに、私からビールを取り上げるなんて。
「私のビール、返し……あっ……」
取り上げられたビールを取り返そうとして振り返ると、真後ろに高橋さんが立っていた。
ビールを取り上げたのは、高橋……さん?
確かに、高橋さんの右手には缶ビールが握られている。
「ありがとうございます。キャッ!」
中原さんが持ってきてくれた缶ビールを勢いよく開けると、泡が飛び出して手に掛かったが構わなかった。
「大丈夫?」
「はい。ビールって、美味しいですね」
ビールが掛かった手を近くにあったダスターで拭きながら、また一口ビールを飲む。
「ハハッ……。矢島さんって、面白いね」
「そうですか? そんな風に言われたの、中原さんが初めてですよ?」
「それって、みんな矢島さんのこと、ちゃんと見てないんじゃないの?」
「そ、そうかもしれませんね。アッハッハ……」
何だか、楽しくなってきた。
「中原さん。今度は、私が持ってきますね」
「ありがとう」
空いてしまった缶を持って、缶ビールが置いてある場所へと向かう途中、顔を横に向ければ経理のテーブルが見える場所に差し掛かったが、横を見ることはなかった。否、もう見たいと思えなかった。
その後、何度か、中原さんと交代で缶ビールを取りに行っていたが、だんだん足取りがおぼつかなくなって来ていた。
「中原さん。もう一本飲んでもいいですか?」
「矢島さん。もうやめた方がいいよ」
「何でですか? 中原さんが飲まないんだったら、私だけ飲みますから」
啖呵を切るように言って椅子から立ち上がったが、フラフラしてまた直ぐ椅子に座ってしまった。
「ああ、びっくり。危なかったあ。」
自分で何を言ってるんだろうと思うが、意思に反して言葉が出て来てしまう。
「部屋まで送ってくから、もう寝た方がいい」
「何でですか? ほら、まだみんなだって……」
そう言いながら周りを見渡したが、宴会場に残っているのは、中原さんと私と逆角に座っていた何処かの担当の集まりの四人だけになっていた。
いつの間に?
そう言えば、高橋さんは何処に行ったんだろう。
「いいじゃないですか。だって、まだ0時になってないんですから居てもいいんですよね?」
「まあ、そうだけど……。でも、もうお酒はやめた方がいい。あっ、矢島さん」
中原さんの忠告も聞かずに、やっぱりもう一本飲みたくなって缶ビールを取りに行き、努めて平静さを装いながら戻ってきた。
「中原さん。はい」
缶ビールのプルトップを開けて中原さんに手渡したが、中原さんは缶に口を付けようとはしなかった
「中原さん。飲まないんですかあ? 私は、飲んじゃいま……」
「いい加減にしろ」
エッ……。
いきなり後ろから声がして、持っていた缶ビールを取り上げられていた。
誰よ?
せっかく良い気分で飲んでたのに、私からビールを取り上げるなんて。
「私のビール、返し……あっ……」
取り上げられたビールを取り返そうとして振り返ると、真後ろに高橋さんが立っていた。
ビールを取り上げたのは、高橋……さん?
確かに、高橋さんの右手には缶ビールが握られている。

