たった一人、君に恋して




「あ、もしもし悠人。今仕事が終わった」


『おう! じゃあ今から迎えに行くわ』


 今日は友達との予定があるということで仕事を早く切り上げた。

 
ーーー

「蒼生はもう彼女作らないの?」


「あー・・・。別に作らないわけじゃない。ただ時間も出会いもないからさ」


 藍川悠人(あいかわ ゆうと)。


 高校の部活の頃からの友達だ。


 俺たちはバスケ部だった。


 高校を卒業してからも、悠人とはよく遊んでいる。


 部活のメンバーの中でも一番気が合う。


 少し、自己中なところはあるが、俺はそんな一面も面白いなと思って一緒にいる。


 ただ、その性格が原因で他のメンバーには少し嫌われていた。


「それがさ、俺、彼女できたんだよね」


「おお! そうなのか!・・・・・・て、悠人は彼女いないことの方が少ないだろ」