たった一人、君に恋して



「とにかく、亮太くんにちょっと聞いてみる」


 私に不満があって、言えなくて一緒にいられなくなったという事実以外には何も聞いていない。


 元カノの話など、一度も出なかった。


 そんなに忘れられないなら、私と一緒にいなかったらいいのに。


 好きだなんて簡単に言わないでほしかった。


 自分には他に付き合った人がいないので、どう気持ちを抑えれば良いのかわからなかった。


 忘れられない恋人は、全員いるのかもしれない。


 歌織にその話を聞いて以来、私は亮太にずっと疑念を抱いていた。


 いくら愛情を注いでくれても、頭の中では元カノのことを考えているのかもしれないと思うと、素直に喜べなかった。


 そこから次に会う約束の日が来るまで、ずっとソワソワしていた。


「美味しい~。ここ前にも来たことあるけど、前の時より量が多くなってる気がするよ」


 初めて一緒に来たパスタ屋さんだった。


『前に』来た時は、あの元カノだったのかもしれない。