たった一人、君に恋して



 いや、すでに終わっているのだ。


 完結した物語に、手を加えることなどあるだろうか?


 ドラマや映画には続編があるだろうが、きっと一度完結した時点でもうその物語は終わっているのだ。


 途中からやり直すことなど、ない。


「確かに、一度終わってしまったし、いろいろと問題があったのも事実だと思う。でも、俺は実桜が好きなんだ。これまでに付き合った誰よりも、実桜の笑顔が好きだし俺が笑顔にしたいんだ」


「ん・・・・・・」


 だめだ、と思うのに気持ちが止まらない。


『好き』だなんて言われてしまうと、涙が溢れてきた。


 その気持ちがあるのになぜ、一度終わらせたんだろう。


 あの時何をしても引き留めておけばよかった。


「亮太くん・・・・・・」


「次は、俺のことを信じてほしい」


「・・・うん。私も、好きだよ」


「実桜・・・・・・」


 そう言うと亮太は私の手を握った。


 ああ、懐かしい。


 あの時と温もりが同じままだった。