たった一人、君に恋して



「うん。何も、変わってないよ」


 変わったのは亮太くんがいなくなったことだけ。


 私の時間は、あれ以来止まっている。


 針は動かず、気持ちも何にも揺らがない。


「急に来ちゃって、ごめんね。どうしても、実桜に会いたくなって」


「どうして? どうして会いたくなるの・・・? 亮太くんが、別れたいって言ったのに?」


 自然と涙がこぼれていた。


 私はあの時も別れたいだなんて思っていなかった。


 初めて好きになった人だ。


 簡単に思いは変わらないし、簡単に忘れられるわけもない。


「うん。勝手でごめんね」


「・・・・・・」


 謝らないでよ。


 謝っても、私が傷ついたことは変わらない。


 どれほど泣いてきたのかももうわからない。