たった一人、君に恋して




『今、実桜の地元の近くまで遊びに来てる。久しぶりに会いたくなっちゃった』


 ずるい。


 まだ気持ちを引きずったままの私は、連絡を無視することができなかった。


 連絡を返すまで、たくさんの涙を流した。


 一緒にいた時のことを思い出す。


 いろいろな場所へ行ったし、私の新しい趣味や好きな物は全て亮太がきっかけだった。


 亮太がいなくなったのに、私の近くにはたくさん亮太がある。


『今、二人でよく行ったカフェにいるよ。会ってくれるなら来て。待ってる』


 私はそのメッセージに『わかった』と返事をした。


 きっと、本当に強い女の子はこんなことはしない。


 前を向いて、失った物は忘れて過ごすのだ。


 カフェまで歩いていると、またいろんなことを思い出した。


 会うのは久しぶりだし、何を話せば良いのかもわからない。