たった一人、君に恋して



 自分が読んできた恋愛小説やマンガではよくある展開だ。

 
 好きな人と遊園地にデートに行き、最後には観覧車に乗るのだ。


 ずっと憧れていたことが叶うような気分だった。

 
 この私に、彼氏が。

 
 その上彼氏と一緒に観覧車に乗るなんて。


「見て、実桜。こんなに高くまで来たよ」


「うわ、本当だ。人がすごい小さい」


「観覧車の頂上でキスとか、する?」


「ええっ!? 何言ってるの!??」


「はは、冗談だよ。そんなベタなマンガみたいなことしないよ」


「もう・・・」


 たまに言う亮太の冗談も、今では少し慣れた。


 一つ上だとは言え、中身はほとんど無邪気な子どもと変わらない。