たった一人、君に恋して




「ああ・・・はい。留学も必須になってるので、学部でも20人程度ですね」


「そっか~。S大外国語学部は2回生の時に留学だっけ?」


「そうなんです。1年間はこっちにいないんですよね」


「じゃあ来年さみしくなるね」


 少しずつ、自分の心が亮太に開いているのを感じた。


 飲み会を楽しいと思ったのは初めての感覚だった。


 その後、私は亮太と連絡先を交換し後日会うことになった。


 そこから私たちが付き合うまではあっという間だった。


 高校3年間で恋愛とは全く縁のなかった私だが、亮太の穏やかで気遣いのできる性格に惹かれていった。


一言で言うと、亮太の性格は「気まぐれ」だった。


 優しく、気遣いができる一面はあるが、何か本心が掴みにくい。


 自分の気分によって予定が変更になることもよくあった。


 それでも私は亮太と一緒に過ごせる時間が何よりも楽しかった。