リョウタは小さく笑った。
なんだ、ヤマト先輩たちと一緒にいるからもっとはっちゃけた感じかと思ったけどちょっと真面目そうな人だな。
それから私たちはそのテーブルでなんでもない話を続けた。
神谷亮太(かみや りょうた)。
それがリョウタの本名だった。
亮太は文学部で、小学校教諭を目指しているらしい。
真面目な性格からもそれがなんとなく理解できた。
「亮太さん、教職目指してるんですかー? 実桜も一緒じゃん!」
「ああ・・・まだ確定してるわけじゃないよ!」
「え! そうなの!?」
「あ、はい・・・・・・」
私と実桜は外国語学部に所属していて、私の将来の夢は英語教師だった。
「えーーなんかうれしいな。教職課程、取ってる子そんなにいないでしょ?」



