たった一人、君に恋して



 もちろん、まだ未成年だった私たちはお酒を飲んでいる先輩の横でひたすらジンジャエールを飲み、酔っ払ったメンバーを見て「バカだなあ・・・」と笑っていただけだった。


 でもその場でいろんな大学の人と話したり、仲良くなったりもした。


「歌織! こっちの席きなよ!」


 声をかけてきた同じ大学の先輩。


 歌織はスラッと身長が高く、顔立ちもはっきりと整っているため、大学内外で人気があった。


 その上明るく、誰とでも仲良くなれる性格で、私はいつも歌織の隣で歌織と誰かの会話をただ聞いていた。


 高校3年間彼氏がおらず、部活と勉強に打ち込んでいたため、男子との関わり方も正直わからなかった。


 そんな純粋でウブな性格だったため、最初はそういう場にも戸惑っていた。


 そんな時、いつも歌織は私を引っ張ってくれた。


 歌織には高校の時から付き合っている彼氏がいた。


 その彼氏とは大学に入ってから遠距離になったが、月に2回は会いに来てくれたり、歌織も彼氏のところに会いに行ったりと、真面目な付き合いを続けていた。