甘い思い

モヤモヤしながら、紅茶とケーキをテーブルに運び向かい合うように座りながらフォークでケーキをつつく。

「志奈、お行儀悪いよ?」

モヤモヤの原因を知っているフシアは少し笑いながらも此方を見ながらも注意され、ケーキを口に運ぶ。
やはり、人気店なだけあっておいしい。これは、また買ってこようと紅茶に口をつけながらモヤモヤが消えていき、そういえばと思い出す。

「今日さ、学校で告白されたんだよね〜」

いつものように何気ない会話のつもりで言うと、向かい側から「カッチャン」とフォークの落ちる音が聞こえる。
視線を向ければ、大きく目を見開いたフシアが固まって此方を見ていた。

はて、そんなに驚く事だろうか。人生初めての告白ではあったけども、そんな重大性は無い筈だ。

しばらく固まった後に動き出したフシアはフォークを持ち直し顔を俯かせていた。

「へぇ‥。それで、返事はどうしたの?」

「んーと、告白されたのは嬉しかったんだけど、面識も無いし断っちゃった〜。やっぱ、勿体無いことしたかな〜?最初で最後だったりして‥」