昔、迷い込んだ大きなお家に住む綺麗な子。
私よりも小さくて、白い長い髪は綺麗で最初は女の子だと思った。だけど、過ごして行くうちにその子は男の子で、フシアという名前だと知った。
昔は海外に居たらしく、フシアは沢山のお話をしてくれた。

その代わりにいつも家にいるフシアには私が過ごした事を話してあげた。
今思えば、年下な子には優しくしないとと責任感でも持って、毎日通っていたような気がする。

『志奈(しな)には、沢山のお友達がいるんだな』

『うん!皆大好きなの!もちろん、フシアも大好きだよ!』

『‥、僕は特別?それとも皆と一緒?』

すると、キラキラと花のような模様がある瞳が輝き手を握られる。
小さい頃の自分はフシアの言う「特別」がわからず、勝手に弟みたいな事かと勘違いして頷けば益々瞳は輝きを増していた。