義理なんて渡せない

「詩乃、俺と付き合って。これから先ずっと俺の隣にいてよ」


まさか、まさかだよ
玉砕覚悟の告白だったのに


「私も成迫と付き合いたい。高校卒業しても一緒にいてくれる?」

「詩乃だから付き合いたいんだ。大学生になっても社会人になっても一緒に決まってる」


さらっと遠い未来の話までしてくれて
こんなの涙腺崩壊するよ


「うぅっ、ぐすっ、お願いじまず」


涙で顔がぐちゃぐちゃ
こんなこと言われて泣かない女の子なんていないと思う


私たち好き同士だったなんて
もっと早くに伝えてればよかった


「『じまず』ってなんだよ、詩乃泣きすぎ」


成迫が近づいてきて私の上に影を落とす
優しく目元を拭ってくれて紳士的


「なるさこ・・・」

「それ禁止」

「え?」

「碧。俺は詩乃って呼んでんのに彼女は名前で呼んでくんないの?」


前言撤回、意地悪だ
紳士だと思ったのに一瞬で終わってしまった


「あ、あおいっ!!」

「もっかい」

「~っ!!ぁぉぃ」

「ん、何?詩乃」


いやいや、呼ばせたのになにそれ
甘すぎやしませんか


初めは勢いで
2回目は恥ずかしくて小声


なのにそんなに優しいなんて聞いてない
私の心臓が持たない、破裂寸前


「遅いし、帰ろう」

「そうだな、帰ろう。からかってごめんな」


立ち上がって宣言すると同意してくれた
そっ、それに頭ポンポンも!


一気に友達から彼氏になった彼の行動
ときめきメーターが振り切れそう