「あのね、今日桜公園に寄ってかない?」
話の流れで...なんて思ってたのに口からぽろっと出てしまった


「えっとね、あそこのベンチに座って柚ミルクティー飲みたいなって」
慌てて理由をでっちあげる


柚ミルクティーは私の好きな飲み物だからきっと自然なはず
疑われてませんようにと成迫をうかがう


「行こう。いつものを飲みに...な?」
ふっと笑って許可してくれる


俺は何飲むかな~とご機嫌そうだ
悩んでいるものの彼が飲むものは決まっているはず


「どうせ苺ココアでしょ?」


私たち2人して普通の味の飲み物にフルーツをプラスした味を好む
彼はココアに苺で私はミルクティーに柚


飲み物の話しで盛り上がったこともあるくらい
初めて共感してくれたのを思い出す


美味しいのに周りには理解されない
成迫が理解してくれたからいいんだけど


「まだ置いてっかな?」
「あるって信じよう」


2人とも桜公園の自販機で飲み物を買うのは久しぶり
昔から変わってないはずだけど気づいていないうちに変わっているかもしれない


「あるといいね」
「あぁ」


そのあとは2人で桜公園までのんびり歩いた
正確には、のんびり歩いた私のペースに成迫が合わせてくれた