「天依って言うのか。」

ポツリと名前を言ってくれる波月くん。

(助けてあげたいな。)

妹のひまりちゃんも…、私の出来る限りで。
心の底からそう思った。

暖かい場所でも、せめて作ってあげたい。

(何かいい案は無いかな…?)

周りを見渡すと、住宅に…マンション!!

「あーっ!」

「うるっせぇ!」

思いついた案に歓喜をあげると、波月くんが絶叫する。

(そんなに嫌がらなくてもよくない?)

「なんなんだよ!いったい?」

「えっとね、マンションみたいに、皆で住めばいいんじゃない?って思って!」

「……天依、何言ってんの?」

せっかくいい案を思いついたのに、全力で波月くんに引かれる。

もう、ストレートに言っちゃえばいいや!

「だから、私の家で同居しようってこと。」