「それはなにより。な、アイス食わねえ?」
「え?」 思いがけず聞き返したら、彼は無遠慮に続ける。
「はい、じゃんけー-んぽー-ん」
そう合図をされると、無意識にパーを差し出していた。
彼はグーである。彼はしまった、みたいな顔をした。
「俺勝ったらアイスおごってもらおうと思ってたのに」
「なに勝手に決めてんですか」
あんまりにも残念そうにいうので、桜は思わず突っ込んだ。
そしてあはは、と笑った。ここ最近沈んでいた感情が浮上するようだ。
彼は一瞬息が詰まったように目を瞠って、すぐに目をそらしてアイスコーナーに行く。
「じゃあ好きなものを選んで」
「せっかくだからこのマンゴーアイス」
「はいはい…」
そういって本当に奢ってくれた。彼はチョコアイスを食べている。店から出て、日陰に入ってもサウナのような暑さは一向にひかない。アイスが溶けかける前に二人で食べる。
食べ終わる前に、彼はなんてことないように聞いた。
「名前、なんていうの?」
「瀬戸内桜っていいます」
「じゃあ桜。俺は大地。ごひいきに」
「え?」 思いがけず聞き返したら、彼は無遠慮に続ける。
「はい、じゃんけー-んぽー-ん」
そう合図をされると、無意識にパーを差し出していた。
彼はグーである。彼はしまった、みたいな顔をした。
「俺勝ったらアイスおごってもらおうと思ってたのに」
「なに勝手に決めてんですか」
あんまりにも残念そうにいうので、桜は思わず突っ込んだ。
そしてあはは、と笑った。ここ最近沈んでいた感情が浮上するようだ。
彼は一瞬息が詰まったように目を瞠って、すぐに目をそらしてアイスコーナーに行く。
「じゃあ好きなものを選んで」
「せっかくだからこのマンゴーアイス」
「はいはい…」
そういって本当に奢ってくれた。彼はチョコアイスを食べている。店から出て、日陰に入ってもサウナのような暑さは一向にひかない。アイスが溶けかける前に二人で食べる。
食べ終わる前に、彼はなんてことないように聞いた。
「名前、なんていうの?」
「瀬戸内桜っていいます」
「じゃあ桜。俺は大地。ごひいきに」

