ぶっきらぼうなロマンチスト

「…ただの家のお客さんだった。でも関わっていくうちに、桜の性根の優しさに触れた。お母さんへの献身を見て、その姿の懸命さに心打たれて俺もその背中を支えたいと思った。弱音を吐かない桜だからいつか壊れそうだと思っていた。…それは当たっていた」

お母さんがいなくなったとき、親戚に引き取られた。別の県に住むことになり、抜け殻の様に生きていた。成人までいさせてくれるようになったが、もうどうでもよくなっていた。目標がなくなって燃え尽き症候群のようになっていた。

「たまに様子を見に行って、今にも消えそうになっていてやっと告白できた。桜はずっと不安そうだった。いつだって。朝起きたとき、俺の顔を見て安心したようにほっとするのも、抱き着いてなかなか離れないのも小さいこどものようだった。たまに悪夢に魘されるときがあるのもしっている。俺は絶対離れないけれど、不安にどうしてなってしまうのも今までの境遇からわかる」