照れてるくせに。でも言わないようにする。
彼は毎回病院まで送ってくれていた。だけれど、申し訳なさ過ぎていつも断っていたら「うるせえ、黙って送られろ」って怒られたのだ。
店先を一緒に出ようとしたとき、少ししとしと雨が降っていた。今日は寒く、みぞれのような重たい雨だった。
今日はバイクでは無理そうだ。彼は傘を二本もってきて、一本を渡してくれた。
この日たしかに人生の分岐点だった。この日雨が降っていなかったら。この日あの道を通らなかったら。病院に向かう途中、私は近道をしようと小さな小道に入ったのだった。
そして大通りに出たとき、横断歩道が目の前に見えたときに息を飲んだ。思わず足を止める。そして彼もまた同じ視線を辿って、その人物を見つけた。
「お父さん…」
彼は毎回病院まで送ってくれていた。だけれど、申し訳なさ過ぎていつも断っていたら「うるせえ、黙って送られろ」って怒られたのだ。
店先を一緒に出ようとしたとき、少ししとしと雨が降っていた。今日は寒く、みぞれのような重たい雨だった。
今日はバイクでは無理そうだ。彼は傘を二本もってきて、一本を渡してくれた。
この日たしかに人生の分岐点だった。この日雨が降っていなかったら。この日あの道を通らなかったら。病院に向かう途中、私は近道をしようと小さな小道に入ったのだった。
そして大通りに出たとき、横断歩道が目の前に見えたときに息を飲んだ。思わず足を止める。そして彼もまた同じ視線を辿って、その人物を見つけた。
「お父さん…」

