昨日わたしの黒歴史のおかげで気まずいとか忘れて吹っ飛んだらしい二人は、あのあと普通に話をしたらしい。
わたしは記憶が吹っ飛んでて、あのあとのことはあんま覚えてないけど……
んでチョコ渡して、楽しく話して、……まだ付き合ってないらしい。
……なんなのほんと。
「ほんとにコトのおかげだよ。あんな根性見せつけられたら、もう渡すしかない!!」
「……ありがとう」
あれは根性でもなんでもない、……暴走。
「あれは渡せたの?」
実唯がチョコケーキと一緒に渡すんだって言ってたパイン味の飴。
あれには実唯が口にできない言葉が込められている、らしい。
実唯は照れくさそうに微笑んだ。
「まだ……あはっ、意気地なしだよね」
「これと一緒に手紙も渡そうかな……とか考えちゃって……でも、やっぱり」
「……ことばで言いたいんだよね」
実唯は世界一きれいに、ふっと笑う。
いま……幸せ、なんだな


