ふっと、意識が体に戻ってくる感覚がする。


手と頬には、今のナターリアには温かい、本来は低いと感じるのぬくもりがあった。

手を握ったことはなかったけれど、これはダレル様だ、と直感的に感じた。


体が鉛のように重たくて、思うように動かせない。


ちゃんと回らない頭で考える──ここに来た時と同じ、デジャヴだ。


近くで感じる息遣いは、僅かに乱れていた。

そこで気づく。

心配かけた、迷惑かけた、足手まといになっている、嫌われる.........

申し訳なくて、恥ずかしくて、何かに押しつぶされそうで、恐くて。