理由は分かっている。 どんなに暖めても、解決するわけがない。 太陽がないからだ。 ここはヴァンパイアの国。 一日中、一年中空は雲で覆われ、夏でもあまり暖かくないらしい。 でも、石の精は。 眩しいほどに明るい「光と天の間」で、王族は宝石を生むのだ。 神々に感謝し、力を分けていただき、夜には星の屑を拾い、ふるい落とし泥から宝石を生む。 ナターリアには、太陽が無くては生きてはいけない血が少なからずも流れているのであった。