可憐な見た目でありながら、踏まれても枯れない。

その姿からついた花言葉は「逆境に耐える」

おまけに踏まれると林檎という果物の香りがするという。

お茶にすると病気や心を癒す働きも持っている。


健気で素敵だと思った。


でも夏に咲くから、寒いこの国では見ることができないかもしれない。



ナターリアは既に、自分の体調の変化には気がついていた。

初めは絶え間ない頭痛だけだった。

頭が痛いのはよくあったから、我慢できた。

でも。

最近は手と足が(かじか)んだようにうまく動かない。

暖炉で暖まっても、お風呂に入っても、感覚が鈍くなったようで治らない。