それから三日後。

その日もナターリアは図書館にいた。


ここ数日は、口話をして──発声の練習をするようになった──、お昼を食べて、図書館。

ヴェロニカが迎えに来てくれると部屋に戻り一緒にお茶をして、その後は日記と絵に熱を上げる。


この間までは、ぼーっと窓辺で椅子に座っていた時間。

今は少し寒い塔の階段に座り込み、季節の花図鑑を眺めている。


気に入った花の名前と花言葉を写して、後でダリア様に頼んで絵を貰う。


一番のお気に入りは、カモミール。

知れば知るほど魅力的な植物だった。