このぐちゃぐちゃの絵に、何を思えるか。


最初はそう思っていたが、だんだんぼんやりと違いがわかってきたような気がする。

これが想像力を育てているかは分からないけれど。

油絵具の手触りも不思議で手が汚れて、楽しかったりもする。


そんなこんなで月日は過ぎ、

皆、「一か月足らずで口話がここまで上達するのは見事だ」と褒めまくってくれる。


最初は、褒められた後何をさせられるのだろうとびくびくしていたが、終始誰もが好意的な目で見てくれていたように思う。

だから最近、私は調子に乗っている、多分。

だからあんな大胆なことを言ってしまったのだ。


昨日の出来事を思い出し、一人ソファで膝を抱え、顔をうずめる。

恥ずかしい、恥ずかしい、恥ずかしい。





話は、十数時間前──昨晩、九時に遡る。