お引っ越し.........



そう、私は捨てられたのだ。

何度目だろうか。

たくさんの世界を見てきた。

花の国、火の国、巨人の国、サソリの国...


いや、”国” なのだろうか。花の国と巨人の住処は同じ空間だったとは思うが、他は分からない。

ここはどこだろう。




......別にどこだっていい。

すぐにまた飛ばされるだろうから......



ふいに、視界の端で何かが動いた。


はっと振り返ると、そこには、





ひどく美しい青年が立っていた。