着替えようとして、替えの服がないことに気づいた。
そもそも今着ているネグリジェも、誰のものか分からない。
何年も着ていたあの服は、どこだろう?
鏡の前で長すぎるドレスの裾と袖を持て余していると、扉が開き昨夜のおかっぱの少女が入ってきた。
持っていた何着ものドレスを近くにあった椅子の背にかけ、机に向かう。
戸惑いつつ後ろ姿を見ていると書き終えたようで、羊皮紙をこちらに向けた。
短く切りそろえた黒髪と紫がかった灰色の瞳の彼女に似合う、深い紫色の文字だった。
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