条件反射で思わず唇を離した私だったけど、翔平が『取らなくていい』
といってキスを続けた。すると暫くして今度はラインではなく電話の
呼び出し音が鳴り響いた。
「...きっと晴夏たちだよ」
不機嫌そうな翔平をなだめて私はかばんに手を伸ばし、電話に出ると、
横にいる翔平にも聞こえるくらいの晴夏の大きな声が響いた。
「ちょっと、どこにいるの?待ってるんだけどー」
「え、待っててくれてるの?ごめん、すぐ行く」
私は晴夏と話しながら座り込んでいる翔平に外に出るよう促す。すると
今度は南が出てきて晴夏に負けないような大きな声でこういった。
「学校でイチャイチャしてんじゃねーよ」
見られてるわけがないのに、私は思わず教室を見回してしまった。
南の声は電話口から聞こえていなかったのか、キョロキョロしている
私を不思議そうに見ている翔平。
「何いってんの、バカじゃないの」
そういって電話を切った後、私は翔平と視線を合わせた。
「...というわけなので、行きましょう」
翔平は小さくため息をつくと、やれやれといった表情で立ち上がり、
すぐ後に立ち上がった私に手を差し出した。当たり前のように私の
手を取ろうとする翔平の行動が、なんだか嬉しかった。

