素直になれない私たち


「おいおいどういうことだよ」


「だから、サッカー部のイケメン(・・・・)1年生エースが『話があるので来て
下さい』っていってあかり姫を連れて行きました」


慌てふためく南とは対照的に冷静なふりをして帰る支度をする翔平
だったが、何気なくカバンから取り出したスマホを足元に落とし、
晴夏とまっつんがそれをニヤニヤしながら見ている。
そして、翔平が気まずそうにスマホを拾い上げたタイミングで私は
教室に戻った。


「…何かあった?」


待たせてごめんね、という前に、本能で微妙な空気感を感じ取った
私の口から思わず出た言葉がこれだ。


「何でもない。帰るぞ」


翔平が私に気づいて、手に持っていたスマホをカバンに戻すと何も
なかったかのように帰り支度を始めた。私がうん、と返事をする前に
晴夏とまっつんに腕を取られ、教室の窓側に引きずられていく。


「で、告白されたの?」


容易くごまかされてくれる2人ではないことはわかっている。
私が無言で小さく頷くと、興奮しつつもなぜか私に合わせて(?)
2人とも無言のまま私の背中をばんばんと叩いた。
なんとかその輪を抜け出すと、すでに教室の外に出て待っていた
翔平と南のもとに合流した。