「ところで、さ」
少し口ごもりながら、南は1歩前を歩いていた晴夏の横に移動した。
しかし話を切り出したかと思いきやなかなか次の言葉が出てこない
南を見て、晴夏が口を開いた。
『俺たちって、今どういう関係?』
それを聞いた南がもうこれ以上ないというくらいに目を見開いた。
「お前、超能力者かよ...!」
驚く南の姿を見て少し呆れた表情を見せた晴夏だったが、それでも
どこか憎めない、そんな思いもあったのか、晴夏の表情はどことなく
柔らかかった。
「どういう関係って、どういう意味?」
「いやお前、あんな、ほら、その、キ...」
「あのキスは元カレから助けてもらったお礼も兼ねた誕生日プレゼ
ント。そういったでしょ?」
それを聞いて、子犬のように明らかにしゅんとしている南。
そんな南を見てああもう、と業を煮やした晴夏が足を止め、南の顔を
両手で思い切り挟んでこういった。
「私、まだアンタの気持ちがどうなのか何も聞いてないんだけど。
私のこと好きなの?」
どうなのよ、と顔を挟まれて頬がぺしゃんこになった南が目を丸く
する。うんうん、と何度も頷いて。そして。
「すげー好き」
そういって晴夏の両手首を軽く掴み、その手を下ろすと南は晴夏を
ぎゅっと抱きしめた。そしてもう一度、自分に言い聞かせるように
晴夏の耳元でいった。
「大好き」
知ってるよ、と晴夏は南の腕の中で笑った。

