「他にもこれとかこれとか、服装に合わせて付け替えられるから」
「……は?」
「ひとつに絞りきれなくて、結局全部買っちゃった。だって亜矢さんに似合いそうなの見たら、つい」
そう言って、ケースを三つも出してくる。
は?
待って、アンティークって、もしかするとお高いんじゃないの!?
それをこんなにたくさんもらうわけにはいかない。
「待って待って! そんなにもらえないから!」
「……なんで?」
「えっ、なんでって……」
「さっきも言ったけど、亜矢さんがもらってくれなかったら本当に誰にも渡す相手がいないから、これは全部廃棄処分に……うううっ……」
「あああ、わかった、分かったから……っ! い、いただきます! きみが良いなら、ありがたく受け取りますっ……!」
「……ふふっ。良かった」
……待って。
もしかするとこれって、メープルくんの思惑通り……?
泣き真似までして、思い通りにしたってことでオーケー???



