「うん。やっぱり似合ってる。亜矢さんは美人だから何でも似合うとは思うけど、こう言う上品なのが格別似合うよね」
「……」
もうなんて返事すれば良いのか分からない。
恥ずかしげもなくそう言うこと言うの、ほんと絶対ホストだわ。決定。
少なくとも私が過去に付き合ってきた男は一人たりともそんな言葉を言ってくれたことなんてなかった。
私が新しい服を着たり髪型を変えたりしたときに「どう?」って聞いても、「あーうん、まぁいいんじゃない……?」みたいな、ぬるーい反応しか返ってこなかった。
まあ、逆に彼らに「とても似合ってる。綺麗だよ」なんて言われたら鳥肌が立ってしまったかもしれないけど、気持ち悪くて。
でも……。
メープルくんにそう言われるのは、悪くはない、気がする……。
言われ慣れてないから少し恥ずかしいけど、気持ち悪いとは感じない。
何だろう、この違い……。
私が思い悩んでいる間にもメープルくんは既に次の品を手に取って説明を始めている。
「これはね、会社にも付けていけるんじゃないかな~と思って」
そう言ってケースを開くと、そこにはブローチが入っていた。
小ぶりで上品なブローチで、確かにこれなら服装によっては付けていてもいいのかも知れない。



