隠れ御曹司の愛に絡めとられて


「おっと、大丈夫?」

「……ごめん」

「なに? 僕の顔、見たくなった?」

「ちっ、違っ」


自意識も自信も、過剰すぎる、この男……。

やっぱりそう言う所がホストっぽいんだよ。


「すごいね。綺麗だね」

「……」

「ホント綺麗。……亜矢さんが」

「……はぁ!?」


あまりのことに驚いて、またさっきみたいに彼の顔を見ようとして、間近で彼の顔を直視することになってしまった。

いやいや、綺麗なのはアンタの方でしょ!

て言うか、夜景を見ないで私の顔を見てたってこと?

いやいやいや、ウソでしょ、そんなわけない。


「……リップサービスが過剰すぎっ」

「えー、心外~。本心なのに」

「何も出ません」

「いいよ別に。だって本当に綺麗だもん」

「う……」


何を言ってもふざけた返事しか返ってこなくて、私は内心どぎまぎしながらため息をついた。

この男の思考回路、本当にどうなってんの?