隠れ御曹司の愛に絡めとられて


のそりと起き上がりベッドから降りて教えて貰った扉を開くと、洗面室は予想以上に広く綺麗で清潔な印象だった。

作りつけの棚にはホテルタイプのバスタオルやフェイスタオルが綺麗に並べられている。


綺麗好き、几帳面、完璧主義――。


思わずそんな言葉が私の頭の中をよぎる。

そう言う男は、めんどくさい。

私の過去の男にもそんな男がいた。

もれなく、めんどくさかった。

彼には深入りしない方が良い、きっと。


下着を脱いで、バスルームへと足を踏み入れる。


「……は? なにこの豪華なお風呂……」


思わず茫然としてしまうほどの、豪華なバスルームだった。

まるでどこかの高級ホテルの、しかもすっごく高い部屋にありそうなバスルーム。

奥にあるジャグジーから泡と湯気が上がっている。


個人でこんな豪華なお風呂って……。

もしかして、女の人を何人も連れ込んで……。


思わずしてしまったいやらしい想像をかき消すように、私はブンブンと首を横に振った。

でも。

あんなに綺麗な顔をしているからきっと絶対にモテる。

あり得ない話じゃない。