「……」
「僕もお腹空いた~っ。すぐ晩ご飯の準備するね。もう温めるだけだから。ちょっとだけ待ってて」
お腹が鳴った恥ずかしさで、思わず顔が熱くなる。
……そう、顔があっついのは、恥ずかしいからなんだからね……!
決して、「僕もお腹空いた~っ」が、びっくりするぐらい可愛かったから、なんかじゃないんだから!
とても良い匂いがしてきて、私のお腹がますます空腹を訴え出す。
何を作ってるんだろう?
そう言えばあの日の朝の中華粥もとても美味しかったな……。
お粥ぐらいなら私にも作れるんじゃないかと思って、実は家で一度作ってみようとしたんだけど……結果、鍋を燃えないゴミに出すはめに……。
お粥って、米をドロドロになるまで煮るだけだよね?
それなのに、見るも無惨な黒い物体になるだなんて……。
自分の失敗を思い返している間にも彼はてきぱきとキッチンで作業をしている。
そのあまりの手際の良さに、思わず見惚れてしまうほどだ。
見た目はまぁまぁのチャラ具合なのに、この手際、ただ者じゃないな。
あっという間にテーブルの上には美味しそうな食事が用意され……。
「出来たよ。亜矢さん、こっち来て」
そう声を掛けられ、テーブルへと移動する。
前と同じように椅子を引かれて、そこへ腰を下ろした。



