……ん? あれ? 六人??
会話してる人数が一人足りなくて、私は少し首を傾げながら視線を目の前に移すと、代打くんがにこにこしながら私を見ていた。
目が合うと、一瞬ぱちくりと目を瞬かせた後、代打くんも首を傾げて、にっこり……。
首を傾げた瞬間、ウェーブがかった柔らかそうな茶色い髪がふわりと揺れる。
うわぁ。
成人してる男の人にこんな事言うの失礼だとは思うけど、かっわいい……。
何かに似てる気がして、でも酔ってるから頭が回らなくてそれが何だったかを思い出せない。
……もどかしい。
結局何に似ているか思い出せないまま、やっと合コンがおひらきになった。
と言っても、会話が弾んでいた六人は二次会に行くらしい。
美紀に「亜矢は帰る? 無理矢理誘ってごめんね?」って謝られたのは覚えてる。
最初っから帰りたかった私は「うん、帰る」って答えた、はずだ。