隠れ御曹司の愛に絡めとられて


あ、まずい、楽しくなってきたー。

みんなの話を聞いてるだけで、なんの話をしてるか分かんないけど、とりあえずすっごい楽しいわー。

えへへ、もっと話してちょーだいー。


「ちょ、亜矢、大丈夫???」

「だいじょぶ、だいじょぶー」

「え、ちょっと、すごい酔ってんじゃんっ」

「だいじょぶだから、いっぱいお話してー?」

「亜矢、もう飲んじゃダメっ」


会のはじめは愛想笑いの仮面を被ったまま話の聞き役に徹していた私がふにゃふにゃの笑顔をふりまいていることで、完全に酔っ払ってるって気づいたらしい。

美紀が私の手元からビールジョッキを奪い去った。


あーん、私のガソリン返してーっ。

今の私にとってビールが笑顔の燃料なんだからぁ。


美紀に取り上げられたビールジョッキは帰って来ず、その代わり私の手元には美紀が注文してくれたウーロン茶が置かれている。

仕方なしにそれをちびちび飲みながらみんなの話を聞いていた。

相変わらず六人で楽しそうに話していて……。