じれったくて、私は楓くんへと体重をかけてベッドへと押し倒した。
高級なベッドのスプリングがゆらりと揺れて、私達二人の体重を難なく受け止める。
口元に悪い笑みを浮かべた楓くんが、私を見上げていた。
もうっ、本当に許せない。
「もうっ!」
「ふふっ、亜矢さんが積極的なのが嬉しくて、つい」
「……楓くんのバカっ」
「ごめんね? 朝までたっぷり愛してあげるから、許して……?」
「……っ」
ぽかり、と楓くんを叩くと、楓くんが私の背へと手を回す。
え、と思う間にドレスのボタンが全て外されて、肩からするりと青いドレスが滑り落ちた。
器用すぎてびっくりするよ、本当に。
彼はそのまま背中側にいくつもあるホックを外していく。
ドレス専用の下着の構造なんて、なんで知ってるのよ?
楓くんの顔の横に両手をついて見下ろしたままジロリと睨んでみる。
けれどもそんなものは何の効果もなくて、楓くんは妖しい笑みを浮かべながらあっという間に私の上半身を完全に開放してしまった。
結婚する前から一緒に住んでいるし何度も身体を重ねているけれど、さすがにこの状態で、部屋の電気も点けたままで肌を晒すのは少し恥ずかしい。
慌てて身体を起こそうとしたけれど、私の行動をどこまでも読んでいる楓くんにあっさりと阻まれてしまった。



