僕が来るまでにかなりジョッキを開けたらしく、会がお開きになる頃には彼女はすっかり酔っ払っていた。

ふにゃふにゃで可愛くて、いつまででも見ていられる。

住所を聞こうにもにこにこ笑ってばかりでちゃんとした返事が返ってこないのはありがたかった。

本当に申し訳ないけれど、ちゃっかりお持ち帰りさせてもらう。


酔ってふにゃふにゃの亜矢さんはやっぱり可愛くて、にこにこ笑いながらも時折眠そうにまぶたがとろりとなって、またふにゃりと笑う。

僕が「眠い?」と聞くと、「んー、だいじょうぶ……」と返事をするが、明らかに眠そうだ。

そんな亜矢さんがあまりにも可愛くてしばらく観察していたけれど、そのままソファで眠ってしまいそうになって、僕はやむなく彼女を揺り起こした。


「亜矢さん。そのまま寝ちゃったら、スーツが皺になっちゃうよ?」

「……んー」

「亜矢さん」

「うんー、じゃあ、脱ぐぅ……」


半分眠ってるような状態で、ジャケットをノロノロと脱ぎ始める。

手を貸したい気持ちをぐっとこらえながら、僕はそれを見守った。

やっとのことでジャケットを脱いだ亜矢さんは、ポイっとそれをソファへと放って、またウトウトと眠り始める。


「亜矢さん。眠いなら、ベッドに行く?」

「んー、……行く」