一応人目につきやすい仕事をしているから、普段からそれなりにちゃんとメイクをしているつもりだ。

でもそれはあくまでもオフィス用のメイクだから、こんなに華やかではない。

私の顔は人よりちょっと派手に見えるから、美紀がしてくれたような華やかなメイクをするとあまりにも派手すぎるのか、だいたい引かれる。

ひとつに束ねて紺色のシュシュをしていた髪も美紀によって下ろされて、コテでくるくると巻かれてしまった。

美紀みたいに可愛い系の子ならこう言うの似合うかも知れないけど、私がやると……。

うう、もう考えたくない……。


すっかりヘアメイクされてしまって後戻りなんてできないから、今夜はなんとかこれで乗り切るしかない。

せっかく久々の二人飲みだったのにぃ。


……ま、気にしないで、飲むか!

さぁ、いざ! 美紀との二人飲みへ――!!


――と、意気込んだは良いけれど……。


「……ちょっと、美紀サン……?」

「あはは! 亜矢、ごめんね~? やだ、そんな怖い顔しないでよ~」


般若みたいだよ、と苦笑いしている我が同期を、私はもう一度ジロリと睨みつけた。


私の隣に美紀、その向こうには、美紀の後輩の女の子二人が座っている。

そして私たち女4人の前の席には、どこかの会社に勤めているらしい男が3人……。