見つめ合っている間に、私たちを乗せたままエレベーターの扉は閉まってしまった。
それと同時にカエデくんの綺麗な顔が近づいてきて……優しく唇が触れる。
カエデくんは本当に、こう言うところ、とても優しい。
私の気持ちを探るように、優しく唇を触れ合わせてくる。
そんな風に優しく丁寧に扱われて、嬉しくて……。
――心が、震えた。
「……カエデ、くん……」
どうして、たったほんの少し唇が触れ合っているだけなのに、こんなに心が震えて、こんなに心臓と呼吸が苦しくなって、こんなに愛おしくて、こんなにもどかしくなるんだろう。
〝好き〟だから……?
ううん、違う、それだけじゃない。
「カエデくん……」
触れ合うだけのキスを繰り返している間に、私は喘ぐように彼の名前を呼ぶ。
好きで、大好きで、それから――。
「カエデくん……、愛してる――」
私がそう囁いた次の瞬間、カエデくんは私を、強く抱きしめた。
「嬉しい……。僕も、亜矢さんのこと、すっごく愛してる」
「……うん」



