――昨晩、孝治からのメッセージを消去して完全マナーモードにして就寝した。
それでゆっくりと寝られるはずだった。
でもやっぱり夢の中までアイツのしつこいメッセージが追いかけてきて……結果、うなされた。
未明に汗びっしょりで目が覚めて、そこから一睡も出来なくて……。
「野村さん、大丈夫ですか? 顔色悪いですよ」
「あー、若月ちゃんおはようー。大丈夫、ちょっと寝不足ー。夜更かししちゃってさ」
「……ほんとに顔色良くないですよ? 今日はそんなに忙しくない予定ですし、帰った方が……」
「ううん、大丈夫大丈夫。ありがとねー」
後輩に心配かけてしまった、大反省だ。
私は、よし、と気合い入れ直し、デスクへ向かう――。
なんとか午前中を乗り切って、お昼休憩の時間になった。
お弁当なんてものを作る高等技術は持ち合わせていないから、いつもお昼はもっぱらコンビニ弁当か社食かケータリングのローテーション。
食欲はあまりないけどメープルくんにちゃんと食事をするようにと言われたのを思い出し、今日は会社の食堂に行くことにした。
注文した品を乗せたトレーを手にどこへ座ろうかと思案していたら、同期の美紀が手を振っているのが見えた。



