私なんかと一緒に住んで、一体彼に何のメリットがあるというのだろう?
私は仕事ぐらいしか能がない。
それなりにお給料はもらっている方だと思うけど、誰かを養えるほどの収入があるかと言われれば微妙だ。
料理以外の家事は一応出来るけど、それもあまり得意じゃないし。
つまりやっぱり同棲や結婚に向いている女じゃない。
メープルくんの家の豪華なお風呂とは真逆の小さくて薄暗いユニットバスで身体を洗い、寝る身支度を終えて、スマホを確認する。
相変わらず孝治からの連絡は途絶えることがなくて、仕事の後にチェックして削除したはずなのに、また同じぐらいの量のメッセージが送りつけられていた。
ここまで来るとそろそろ本気で怖い。
孝治以外の人からのメッセージがないかどうかを確認して、全部削除。
スマホの通知画面はスッキリしたけれど、どうにもモヤモヤして気分が悪い。
それに、全部消した直後にまたメッセージがきて……。
結局朝までに100件近くの未読メッセージが送られてきていた――。



