えーと、誰だこの人。


いや、らんって井龍様が好きなんじゃないの?


まさか、もう好きじゃない?


えっ、じゃあ私チャンスある?


でも、井龍様が私なんかのことを意識してくれるとは思わない...


告ってみる?


うーん


こ、心の準備ができたらしようかな。


「あ、あの、もしかしてですけど、あなたはらんを伴侶として迎えたのですか?」


「は?そりゃそうだろ。こんな可愛いらんをどこの誰が放っておく?」


「まぁ、自己紹介をしますね。」


「は?いらないし。」


「私はらんの姉の華咲すみれです。」


「え?」


この人、は?とか、え?とか多いなー。


「らんそうなのか?」


「うん。でもお姉ちゃんは私のことすごくいじめてくるの...」


「そうか...ならば俺の天狗の力をもって社会的に抹消してやる!」


あっ、そうなるんだ。


「ねぇ、誰がそんなことを許すと思った?」


ふいに後ろから声が聞こえた。


「は?俺は天狗だからそんな許しなど...」


と言って後ろを振り向いた天那様?は次の瞬間フリーズした。


「な、なぜここに井龍様がいらっしゃるんだ?」


「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


女子たちの悲鳴が響き渡る。


らんもその一人だ。


私は例外だったが。


「誰が華咲すみれさんを消すことを許したの?」


井龍様がとても恐ろしい顔をしてそこに立っていた。


「この子は僕のお気に入りなんだけど。何しようとしたの。」


「すいませんでしたぁぁぁ!」


天那様頭が地につきそうなほどの土下座を披露した。